2025年9月4日〜10日(日本時間)に開催されたインターナショナルウィークは、2026年FIFAワールドカップに向けた各大陸の勢力図を一段と鮮明にする、激動の期間となりました。南米予選はついに決着し、欧州では列強の明暗がくっきりと分かれ、アフリカからは本大会出場一番乗りの国が決定しました。
森保一監督率いる日本代表は、北米遠征で強豪メキシコと互角の内容を見せるも、メンバーを大幅に入れ替えたアメリカ戦では完敗を喫し、明確な「二つの顔」を覗かせました。欧州ではスペイン、フランス、ポルトガルが盤石の連勝スタートを切る一方、ドイツはW杯予選の歴史で初となるアウェーでの黒星という波乱の幕開け。南米ではウルグアイ、コロンビア、そして16年ぶりにパラグアイが本大会への切符を掴みました。
この激動の1週間を、各試合の結果や戦評、そして監督や選手のコメントと共に、詳細に振り返ります。
今週の主要トピック(ハイライト5)
1. 南米予選フィナーレ:出場国確定とボリビアの“高地の一撃”
南米予選は最終盤を迎え、ウルグアイ、コロンビア、そして実に16年ぶりとなるパラグアイが本大会出場を確定させました。最大のドラマは、ボリビアが標高4,000m級の高地エル・アルトで、メンバーを落としたブラジルに1-0の歴史的勝利を収めたこと。この結果、ベネズエラを逆転して大陸間プレーオフ進出を決めました。
2. 欧州列強の明暗:西の3強は連勝、ドイツは歴史的黒星スタート
スペイン(2戦9得点無失点)、フランス(エムバペの活躍で連勝)、ポルトガル(ロナウドが最多タイ記録)が危なげなく2連勝を飾り、本大会優勝候補としての実力を見せつけました。対照的にドイツは、初戦のスロバキア戦に0-2で敗れ、W杯予選の歴史で初となるアウェーでの黒星。ジェンナーロ・ガットゥーゾ新監督率いるイタリアは、初戦を5-0で大勝した後、次戦は5-4の壮絶な乱打戦を制しました。圧倒的な攻撃力と守備の脆さが同居する、スリリングな船出となっています。
3. 日本の二つの顔:内容互角のメキシコ戦、大幅入替で米国に完敗
北米遠征初戦のメキシコ戦では、主力メンバーが機能し、戦術的な規律を保って強豪相手に優勢な時間帯を作り、0-0の引き分けに持ち込みました。続くアメリカ戦では先発メンバーを大幅に入れ替え。チームとしての連携を欠き、ビルドアップや守備の連係が崩壊し0-2で完敗を喫しました。この対照的な2試合は、欧州組を中心とする主力と控えメンバーとの間に存在する大きな実力差を露呈させ、選手層の厚さという積年の課題を改めて突きつける結果となりました。
4. スーパースターのマイルストーン
ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドがハンガリー戦でPKを決め、W杯予選通算39得点で歴代最多タイ記録(グアテマラのカルロス・ルイスと並ぶ)に到達しました。アルゼンチンのリオネル・メッシは、母国での最後のW杯予選になる可能性を示唆したベネズエラ戦で2得点を挙げ、サポーターを熱狂させました。キリアン・エムバペも2試合連続ゴールでフランスを牽引し、代表通算52得点目を記録。ティエリ・アンリ氏の記録を上回りました
5. アフリカ最速:モロッコが出場一番乗り
モロッコがホームでニジェールに5-0で圧勝。グループリーグ6戦全勝とし、アフリカ大陸で最も早く2026年W杯本大会への出場権を獲得しました。
主要対象国の試合結果一覧
日付 (JST) | 大会 | 会場 | ホームチーム | スコア | アウェイチーム | 主要出典 |
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9月5日 | W杯南米予選 | リオデジャネイロ(ブラジル) | ブラジル | 3-0 | チリ | Reuters |
9月5日 | W杯南米予選 | ブエノスアイレス(アルゼンチン) | アルゼンチン | 3-0 | ベネズエラ | Reuters |
9月5日 | W杯欧州予選 | ブラチスラバ(スロバキア) | スロバキア | 2-0 | ドイツ | Reuters |
9月5日 | W杯欧州予選 | ソフィア(ブルガリア) | ブルガリア | 0-3 | スペイン | Reuters |
9月6日 | W杯欧州予選 | ヴロツワフ(ポーランド) | ウクライナ | 0-2 | フランス | ESPN |
9月6日 | W杯欧州予選 | ベルガモ(イタリア) | イタリア | 5-0 | エストニア | Reuters |
9月7日 | 国際親善試合 | オークランド(アメリカ) | 日本 | 0-0 | メキシコ | nikkansports.com |
9月7日 | W杯欧州予選 | エレバン(アルメニア) | アルメニア | 0-5 | ポルトガル | Reuters |
9月8日 | W杯欧州予選 | コンヤ(トルコ) | トルコ | 0-6 | スペイン | Aljazeera |
9月8日 | W杯欧州予選 | ケルン(ドイツ) | ドイツ | 3-1 | 北アイルランド | ESPN |
9月9日 | W杯欧州予選 | デブレツェン(ハンガリー) | イスラエル | 4-5 | イタリア | Reuters |
9月10日 | 国際親善試合 | コロンバス(アメリカ) | アメリカ | 2-0 | 日本 | ESPN |
9月10日 | W杯欧州予選 | ブダペスト(ハンガリー) | ハンガリー | 2-3 | ポルトガル | Reuters |
9月10日 | W杯欧州予選 | パリ(フランス) | フランス | 2-1 | アイスランド | [疑わしいリンクは削除されました] |
9月10日 | W杯南米予選 | エル・アルト(ボリビア) | ボリビア | 1-0 | ブラジル | AP News |
9月10日 | W杯南米予選 | グアヤキル(エクアドル) | エクアドル | 1-0 | アルゼンチン | AP News |
日本代表(SAMURAI BLUE)

日本 0-0 メキシコ(9月7日 @米・オークランド/親善)
[GOAL] なし
試合サマリー
日本は3-4-2-1システムで試合を開始。特に前半は高い位置からのプレスが機能し、久保建英と堂安律を起点にメキシコゴールに迫った。メキシコも試合開始5分で戦術を修正し応戦するも、日本が主導権を握る時間が続いた。しかし、数多くの決定機を決めきれず、後半は試合が膠着。最後までゴールは生まれず、スコアレスドローに終わった。過去の対戦で苦戦が続いていた中、健闘を見せた。
現地評価
- メディア分析: 主力を揃えた日本は、アギーレ監督率いる強豪メキシコを相手に試合を優位に進める時間帯を作り、引き分けに持ち込んだ。しかし、多くの決定機をものにできず、ゴール前の精度という積年の課題が改めて浮き彫りになったと総括されている。
アメリカ 2-0 日本(9月10日 @米・コロンバス/親善)
[GOAL] 30′ アレハンドロ・ゼンデハス, 64′ フォラリン・バログン
試合サマリー
先発メンバーを大幅に入れ替えて臨んだ日本は、序盤から連携ミスが目立ち、ビルドアップに苦戦。30分、自陣でのボールロストを起点に、最後はアレハンドロ・ゼンデハスに豪快なボレーシュートを叩き込まれ先制を許す。後半も流れは変わらず、64分には再び自陣でのミスからフォラリン・バログンに追加点を奪われた。終盤に4バックへ変更し、小川航基のシュートがポストを叩く場面もあったが、最後まで反撃の糸口は掴めず完敗した。
現地評価
- 監督コメント (森保一): 現地報道によれば「新戦力の見極めもあったが、内容も結果も悔しい。次に向け修正する」と述べ、主力組と控え組の間に存在する差を認めたとされる。
- メディア分析: 先発メンバーの大幅な入れ替えは、日本のリズムを著しく乱した。ビルドアップに苦しみ、アメリカの素早いトランジションに対して脆弱であった。この敗戦は、主力選手1〜2名の離脱がチーム全体のパフォーマンスを大きく低下させる可能性を示唆しており、選手層の底上げが急務であると指摘されている。
ブラジル代表(CONMEBOL)

ブラジル 3-0 チリ(9月5日 @リオデジャネイロ/W杯予選)
[GOAL] エステヴォン, ルーカス・パケタ, ブルーノ・ギマランイス
試合サマリー
本拠地マラカナンにチリを迎えたブラジルは、終始圧倒的なパフォーマンスを披露。若き至宝エステヴォンが代表初ゴールで先制すると、その後も攻撃の手を緩めず、ルーカス・パケタとブルーノ・ギマランイスが追加点を奪い、盤石の勝利を収めた。
現地評価
- 監督コメント (カルロ・アンチェロッティ): 試合後、チームの進捗に対する満足感を表明。攻撃陣に創造的な自由を与えるスタイルが機能したことを評価した。
- メディア分析: アンチェロッティ監督が導入する、選手の相互作用と機能性を重視する「リレーショナル/ファンクショナル」なサッカースタイルが、チリの守備組織を効果的に解体したと高く評価された。
ボリビア 1-0 ブラジル(9月10日 @エル・アルト, Estadio Municipal de El Alto/W杯予選)
[GOAL] ミゲル・テルセロス (45′ PK)
試合サマリー
標高4,000m級の高地エル・アルトでの一戦。既に出場を決めているブラジルは大幅なローテーションで臨んだが、過酷な環境に苦戦。前半終了間際の45分、PKをミゲル・テルセロスに決められ先制を許す。後半は攻勢に出るもゴールを割ることができず、そのまま0-1で敗れた。
現地評価
- 監督コメント (カルロ・アンチェロッティ): 「高地での戦いは難しかったが言い訳はできない。ピッチの状態は理想的ではなかった」と、特異で困難なコンディションを指摘しつつ、W杯に向けた準備という大局的な目標を強調した。
- メディア分析: 大幅にメンバーを入れ替えたブラジルが、高地でまさかの敗北を喫した。この結果は、既に出場権を獲得したチームによる戦略的なメンバー構成の変更が、いかに他国の運命を左右しうるかを明確に示した事例として報じられた。
アルゼンチン代表(CONMEBOL)

アルゼンチン 3-0 ベネズエラ(9月5日 @ブエノスアイレス/W杯予選)
[GOAL] 39′ リオネル・メッシ, 76′ ラウタロ・マルティネス, 80′ リオネル・メッシ (A: チアゴ・アルマダ)
試合サマリー
リオネル・メッシにとって母国での最後のW杯予選になる可能性があったこの試合、主役が圧巻のパフォーマンスを見せる。39分にカウンターから自ら先制点を奪うと、後半にはラウタロ・マルティネスの追加点を挟み、80分にはチアゴ・アルマダのアシストからこの日2点目を記録。世界王者の貫禄を見せつけ快勝した。
現地評価
- 選手コメント (リオネル・メッシ): 「ここ(母国)で自分の人々とこういう形で締めくくれるのは夢だった」と涙ながらに語り、感動的な雰囲気を作り出した。
- 監督コメント (リオネル・スカローニ): 試合前、メッシの功績について感情的に語り、試合後はチームの緩やかな進化と新戦力の融合に焦点を当てたコメントを残した。
エクアドル 1-0 アルゼンチン(9月10日 @グアヤキル/W杯予選)
[GOAL] エネル・バレンシア (前半終了間際 PK)
試合サマリー
メッシを温存し、主力を入れ替えて敵地グアヤキルに乗り込んだアルゼンチン。一進一退の攻防となったが、前半終了間際に与えたPKをエネル・バレンシアに決められ失点。この1点を最後まで返すことができず、0-1で敗れた。試合は荒れた展開となり、ニコラス・オタメンディが退場処分を受けた。
現地評価
- 選手コメント (ラウタロ・マルティネス): 試合後、悔しさをにじませつつも、「グループ首位通過という主要目標を達成した」ことを強調した。
- 監督コメント (リオネル・スカローニ): 現地報道によれば「若手主体でも互角に戦えたが、細部の差が結果を分けた。課題を修正したい」とコメントしたとされる。
フランス代表(UEFA)

ウクライナ 0-2 フランス(9月6日 @ポーランド・ヴロツワフ/欧州予選)
[GOAL] 10′ ミカエル・オリセ, 83′ キリアン・エムバペ
試合サマリー
中立地ポーランドで行われた初戦、フランスは開始10分にミカエル・オリセのゴールで幸先よく先制。その後も試合をコントロールし、83分にはエースのキリアン・エムバペが華麗なドリブルから追加点を奪い、勝負を決めた。終始安定した試合運びで、危なげなく白星スタートを切った。
現地評価
- 監督コメント (ディディエ・デシャン): 「苦戦する可能性もあったが、無失点で勝てたのは上々のスタート」と、重要な初戦を勝利で飾れたことに安堵の意を示した。
- メディア評価: キリアン・エムバペが代表通算51ゴール目を記録し、ティエリ・アンリの歴代2位タイ記録に並んだことが大きく報じられた。
フランス 2-1 アイスランド(9月10日 @パリ/欧州予選)
[GOAL] (FRA) 45′ キリアン・エムバペ (PK), 62′ ブラッドリー・バルコラ (A: キリアン・エムバペ)
試合サマリー
本拠地パルク・デ・プランスで格下アイスランドに苦戦。21分に先制を許す展開となったが、前半終了間際にエムバペが得たPKを自ら決めて同点に。62分にはそのエムバペの折り返しからブラッドリー・バルコラが勝ち越しゴール。しかし68分にオーレリアン・チュアメニが退場し、数的不利に。終盤VARで相手のゴールが取り消される幸運にも助けられ、辛くも逃げ切った。
現地評価
- 監督コメント (ディディエ・デシャン): 「勝利できたことが何より。苦しい試合をものにできたのは成長だ」と結果を強調。また、途中出場のアドリアン・ラビオにファンからブーイングが起きたことに対し「容認できない」と強い不快感を示した。
- メディア評価: エムバペが1得点1アシストの活躍でチームを勝利に導き、代表通算得点を52に伸ばしてアンリを上回ったことがハイライトとして伝えられた。
ドイツ代表

スロバキア 2-0 ドイツ(9月5日 @ブラチスラバ/欧州予選)
[GOAL] ダヴィド・ハンツコ, ダヴィド・ストゥレレツ
試合サマリー
ドイツにとって悪夢の予選開幕となった。前半42分、フロリアン・ヴィルツのボールロストからカウンターを許し、ダヴィド・ハンツコに先制点を献上。後半も反撃は実らず、55分にはダヴィド・ストゥレレツに追加点を奪われ万事休す。攻守にまとまりを欠き、W杯予選アウェー52戦目にして初の黒星を喫した。
現地評価
- 監督コメント (ユリアン・ナーゲルスマン): 「我々には闘争心が欠けていた。質の高い選手を揃えたが、魂を見せねば勝てない」とチームの姿勢と「感情性」の欠如を厳しく叱責した。
- 選手コメント (ヨシュア・キミッヒ): 監督の意見に同調し、この問題を「慢性的な問題」と指摘。チーム内の危機感を露わにした。
- メディア評価: ドイツにとってW杯予選史上初のアウェー敗戦という、衝撃的な結果が大きく報じられた。ナーゲルスマン新監督は開幕から大きなプレッシャーにさらされることになった。
ドイツ 3-1 北アイルランド(9月8日 @ケルン/欧州予選)
[GOAL] (GER) セルジュ・ニャブリ, 69′ ナディーム・アミリ, 72′ フロリアン・ヴィルツ (FK)
試合サマリー
初戦の敗戦から立て直しを図るホーム戦。しかし、この試合でも先制を許す苦しい展開に。それでもセルジュ・ニャブリのゴールで前半のうちに追いつくと、後半69分に途中出場のナディーム・アミリが押し込んで勝ち越し。続く72分にはフロリアン・ヴィルツが直接FKを沈めて突き放し、逆転勝利を収めた。
現地評価
- 監督コメント (ユリアン・ナーゲルスマン): 「ファンの期待が大きいのは理解している。結果で応えるしかない」とコメント。また、北アイルランドのプレースタイルを批判した発言は、一部専門家から「無礼である」と指摘された。
- メディア評価: 内容的には説得力に欠けるものの、必要不可欠な勝利で連敗を止め、チームは一息ついた。ナーゲルスマン体制の初白星となったが、課題は山積しているとの見方が大勢を占める。
スペイン代表

ブルガリア 0-3 スペイン(9月5日 @ソフィア/欧州予選)
[GOAL] 5′ ミケル・オヤルサバル, 30′ マルク・ククレジャ, 38′ ミケル・メリーノ
試合サマリー
敵地ソフィアでの開幕戦、スペインは前半だけで試合を決めた。開始5分にミケル・オヤルサバルが先制すると、30分にはマルク・ククレジャが左足で追加点。38分にはミケル・メリーノがCKから頭で決め、前半を3-0で折り返す。後半は追加点こそなかったものの、危なげない試合運びで完勝した。
現地評価
- 監督コメント (ルイス・デ・ラ・フエンテ): 「前半は完璧だ」と評価しつつ、大差の勝利にもかかわらず、選手たちが後半のパフォーマンスに「不満を抱いていた」と明かし、チームの高い基準と勝利への渇望を示した。
- メディア評価: 前半だけで3点を奪う圧倒的な試合運びで、快適な船出となった。欧州王者としての実力を遺憾なく発揮したと報じられた。
トルコ 0-6 スペイン(9月8日 @トルコ・コンヤ/欧州予選)
[GOAL] 6′ ペドリ, 22′ ミケル・メリーノ, 45+1′ ミケル・メリーノ, 53′ フェラン・トーレス, 57′ ミケル・メリーノ, 62′ ペドリ
試合サマリー
スペインの攻撃力が爆発した。開始6分にペドリが先制すると、そこからゴールラッシュが始まる。ミケル・メリーノが圧巻のハットトリックを達成し、フェラン・トーレスも加点。最後は再びペドリが締め、敵地でトルコを6-0で粉砕。圧倒的な強さを見せつけた。
現地評価
- 監督コメント (ルイス・デ・ラ・フエンテ): 「スピードと技巧で相手守備を粉砕した。我々のフットボールを完全に表現できた」とチームの遂行能力を絶賛した。
- メディア評価: ミケル・メリーノのハットトリックを含む6ゴールでトルコを粉砕。スペインの圧倒的な選手層の厚さを示す一戦となり、2連勝でグループ首位に立った。
イタリア代表
イタリア 5-0 エストニア(9月6日 @ベルガモ/欧州予選)
[GOAL] モイーズ・キーン, ジャコモ・ラスパドーリ, アレッサンドロ・バストーニ, マテオ・レテギ (2得点)
試合サマリー
ジェンナーロ・ガットゥーゾ新監督の初陣は、ゴールラッシュで飾られた。マテオ・レテギが2得点を挙げるなど、攻撃陣が躍動し計5得点を奪取。守備陣も無失点に抑え、新体制の船出としてはこれ以上ない結果で、幸先の良いスタートを切った。
現地評価
- メディア評価: ジェンナーロ・ガットゥーゾ新監督の初陣を「圧倒的な成功(resounding success)」と報道。監督が志向する攻撃的な4-2-3-1フォーメーションが機能し、数多くのチャンスを創出したことが評価された。
イスラエル 4-5 イタリア(9月9日 @ハンガリー・デブレツェン/欧州予選)
[GOAL] (ITA) モイゼ・ケアン (2得点), マッテオ・ポリターノ, ジャコモ・ラスパドーリ, 90+1′ サンドロ・トナーリ ※OGによる2失点あり
試合サマリー
サッカー史に残る壮絶な乱打戦となった。開始16分にオウンゴールで失点すると、その後も2度リードを許す苦しい展開に。しかし、モイゼ・ケアンの2ゴールなどで食らいつき、一時は4-2とリードを広げる。だが、終盤にオウンゴールとヘディングで立て続けに失点し、89分に4-4の同点に。万事休すかと思われた後半アディショナルタイム、サンドロ・トナーリが劇的なミドルシュートを突き刺し、イタリアが勝利を掴んだ。
現地評価
- 監督コメント (ジェンナーロ・ガットゥーゾ): この試合を「これまで関わった中で最もクレイジーな試合」と評し、チームが「あまりにも脆く」「馬鹿げた失点をする」と守備の極端な脆弱性を率直に認めた。
- 選手コメント (マヌエル・ロカテッリ): 「クレイジーな試合だ。5点取ったことは評価できるが4失点は反省が必要」と、攻守両面の課題を口にした。
ポルトガル代表

アルメニア 0-5 ポルトガル(9月7日 @エレバン/欧州予選)
[GOAL] 10′ ジョアン・フェリックス, 21′ クリスティアーノ・ロナウド, 32′ ジョアン・カンセロ, 46′ クリスティアーノ・ロナウド, 62′ ジョアン・フェリックス
試合サマリー
格下アルメニアを敵地で一蹴した。開始10分にジョアン・フェリックスが先制すると、クリスティアーノ・ロナウドが前半と後半開始直後にそれぞれゴール。ジョアン・カンセロも続き、最後は再びフェリックスが締め、計5得点で圧勝。危なげない試合運びで予選を好発進した。
現地評価
- 現地メディア評価: 地元紙は「攻撃陣が多彩な得点パターンを披露した」と高評価。クリスティアーノ・ロナウドとジョアン・フェリックスがそれぞれ2得点を挙げるなど、個の力の高さが際立ったと報じられた。
ハンガリー 2-3 ポルトガル(9月10日 @ブダペスト/欧州予選)
[GOAL] (POR) 36′ ベルナルド・シルバ, 67′ クリスティアーノ・ロナウド (PK), 86′ ジョアン・カンセロ
試合サマリー
ブダペストでの一戦は劇的な展開となった。21分に先制を許すも、36分にベルナルド・シルバが同点ゴール。後半、クリスティアーノ・ロナウドがPKを決めて逆転に成功する。このゴールはロナウドにとってW杯予選通算39得点目となり、歴代最多タイ記録となった。しかし84分に再び追いつかれるも、そのわずか2分後、ジョアン・カンセロが劇的な決勝ゴールを突き刺し、ポルトガルが勝利を収めた。
現地評価
- 監督コメント (ロベルト・マルティネス): ロナウドのW杯予選最多タイ記録達成について、その「模範的な態度」と「キャプテンとしてのパフォーマンス」を称賛した。
- 選手コメント (ベルナルド・シルバ): 現地報道によれば「一度追いつかれても諦めなかった。苦しい展開でも勝ち切れたのは大きな自信になる」と語り、チームのメンタル面の強さを強調したとされる。
W杯出場を確定させた代表
- モロッコ(CAF) — 9/5時点で出場決定。ニジェールに5-0で圧勝し、アフリカ勢最速で本大会出場を決めた。
- ウルグアイ(CONMEBOL) — 9/4出場決定。ホームでペルーに3-0で快勝し、5大会連続15回目の出場権を獲得。
- コロンビア(CONMEBOL) — 9/4出場決定。ボリビアを3-0で下し、通算7回目の本大会出場を決めた。
- パラグアイ(CONMEBOL) — 9/4出場決定。エクアドルと引き分け、必要な勝ち点を確保。実に16年ぶりのW杯本大会復帰を果たした。
- チュニジア(CAF) — 9/8出場決定。敵地で赤道ギニアに土壇場の決勝ゴールで1-0と勝利し、2大会連続7回目の出場を決めた。
まとめ(トレンドや読者への影響)
欧州の3強(スペイン/フランス/ポルトガル)が一歩リード、南米は王者アルゼンチンが首位通過しつつも“高地×ローテ”でアルゼンチンもブラジルも取りこぼし気味、ドイツは黒星発進で再建モード――そんな全体図の中、日本は「主力なら世界基準と渡り合える」一方で「入れ替えるとビルドアップや守備連係が崩れる」という課題がくっきり。次の代表ウィークでは欧州予選がさらに勢力図をはっきりさせ、早々に出場確定したモロッコやウルグアイはメンバー争いが本格化。チェックポイントは、主力のコンディション維持と“アピール枠”の新戦力がどこまで食い込むか、そして日本のBチーム強度をどれだけ底上げできるかに注目しましょう。