2025年9月第4週、欧州の主要リーグで戦う日本人選手たちの最新動向をレポートします。今週はプレミアリーグでクリスタル・パレスの鎌田大地が正確なコーナーキックから先制点を演出し、チームの無敗維持に大きく貢献。ブンデスリーガではマインツの佐野海舟が1ゴール1アシストと躍動し、勝利の立役者となりました。ベルギーでは伊東純也が復帰後初ゴール、フランスでは南野拓実がアシストを記録するなど、各地で嬉しいニュースが届いています。一方で、三笘薫や久保建英は相手の厳しいマークに苦しみ、本領発揮とはなりませんでした。今週の各選手の活躍と現地での評価、最新の移籍動向を詳しくまとめます。
ポイント
- 鎌田大地(クリスタル・パレス):CKを起点に決勝点に繋がる先制点を演出。攻守両面での傑出したパフォーマンスで現地メディアから絶賛。
- 佐野海舟(マインツ):ブンデスリーガで1ゴール1アシストを記録し、4-1の圧勝に貢献。
- 伊東純也(ヘンク):ベルギーリーグ復帰後初ゴールをマーク。チームは敗れたものの、エースとしての存在感を示す。
- 久保建英・三笘薫:両選手とも得点に絡めず、チームも苦戦。現地メディアからは厳しい評価も。
- 移籍情報:中村敬斗選手のスタッド・ランス残留が本人のコメントで確定。三笘薫選手にはブライトンとの契約延長交渉が報じられる。
鎌田 大地(クリスタル・パレス/プレミアリーグ)

試合結果
プレミアリーグ第5節 vs ウェストハム(A) [ 2 – 1 ] 勝利 (フル出場 / 1ゴール演出)
要約ポイント
プレミアリーグ第5節、クリスタル・パレスは敵地でウェストハムとのロンドン・ダービーに臨みました。今シーズン、好調を維持するチームの中で、鎌田大地は中盤の底で先発フル出場。前半37分、鎌田が蹴った精度の高い右コーナーキックから味方がヘディングシュート。これは惜しくもクロスバーを直撃しますが、こぼれ球をジャン=フィリップ・マタテが押し込み、先制点が生まれました。この1点が決勝点となり、チームは2-1で勝利。開幕からの無敗を維持しました。
鎌田は先制点の演出という結果だけでなく、試合を通して攻守に絶大な存在感を発揮。特にプレミアリーグの激しい中盤の争いにおいて、11回ものデュエル(1対1のボールの奪い合い)で勝利するという驚異的なスタッツを記録。タックルやインターセプトでもチームに貢献し、現地メディアからは「加入以来、最高のパフォーマンス」と満場一致の称賛が送られました。この活躍により、チーム内での戦術的な価値を確固たるものにしたと言えるでしょう。
現地評価
- News Shopper:「加入以来、中盤の底(ピボット)で最高のパフォーマンス。ボール保持に力強く、後半は一流の守備意識を見せた。ウェストハムはパレスの中盤コンビを攻略できなかった。」と、守備面での貢献を特に高く評価しています。
- ガーディアン紙:「鎌田はセットプレーで違いを生んだ。精度の高いCKから先制点を演出した。」と、アシストシーンの質の高さを称賛しました。
- Sky Sports:「7点という高評価。先制点を演出し、チームの勝利に大きく貢献。攻守にわたる活躍で、中盤での存在感を強く示した。」と、総合的なパフォーマンスを評価しています。
- Goal.com:「リーグ戦5試合ぶりの先発でフル出場し、高評価を獲得。中盤の底でのプレーが称賛され、ポゼッションでの強さと試合が進むにつれて向上した守備への貢献が評価された。」と報じ、先発起用に応えた活躍を伝えています。
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三笘 薫(ブライトン/プレミアリーグ)

試合結果
プレミアリーグ第5節 vs トッテナム(H) [ 2 – 2 ] 引き分け (フル出場 / 0ゴール0アシスト)
要約ポイント
ブライトンはホームで強豪トッテナムと対戦。三笘薫は左ウイングでフル出場しました。チームは前半31分までに2点をリードする理想的な展開でしたが、その後追いつかれ、結果は2-2の引き分けに終わりました。三笘は前半24分に決定機を迎えるもシュートは相手GKに阻まれるなど、最後までゴールネットを揺らすことはできませんでした。
この試合、三笘は相手ディフェンダー、特にトッテナムの右サイドバックであるペドロ・ポロの徹底したマークに苦しみました。得意のドリブル突破を仕掛けるスペースを消され、ボールを持っても囲まれてしまうシーンが散見されました。それでも守備では自陣深くまで戻りハードワークを続けましたが、攻撃面で決定的な仕事ができず、不完全燃焼に終わった印象は否めません。
現地評価
- Sussex World:「守備面では非常にハードワークしたが、攻撃面での脅威となることには苦戦した。ボールを保持している際には軽率な場面も見られた。」と、攻守両面を評価しつつも攻撃面の課題を指摘。
- The Brighton Base:「攻撃で決定的な仕事はできなかったが、守備でハードワークし長いボールへの競り合いにも貢献した。」と、守備での奮闘を評価しています。(https://thebrightonbase.com/)
- 英Standard紙:トッテナム寄りの寸評として、「(相手DFの)ポロが三笘を封じ込めた。彼のスピードを抑え込んだ守備は見事だった。」と、相手DFの対応を称賛する形で三笘の苦戦を伝えました。
- Sky Sports:「評価は6点と及第点。チームが2点のリードを守りきれず引き分けた試合で、決定的なインパクトを残すには至らなかった。」と、試合結果を踏まえた冷静な評価を下しています。
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佐野 海舟(マインツ/ブンデスリーガ)

試合結果
ブンデスリーガ第4節 vs FCアウクスブルク(A) [ 4 – 1 ] 勝利 (1ゴール1アシスト)
要約ポイント
ブンデスリーガ第4節、マインツは敵地でアウクスブルクに4-1と圧勝しました。この試合で勝利の口火を切ったのが、佐野海舟でした。前半14分、ペナルティエリア手前でパスを受けた佐野は、冷静にゴール隅へシュートを流し込み、チームに貴重な先制点をもたらしました。これが今シーズンの初ゴールとなり、さらにアシストも記録し、チームを大勝に導く大きなきっかけとなりました。
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久保 建英(レアル・ソシエダ/ラ・リーガ)

試合結果
ラ・リーガ第6節 vs レアル・ベティス(A) [ 1 – 3 ] 敗戦 (66分 途中交代 / 0ゴール0アシスト)
要約ポイント
開幕から未勝利と苦しい戦いが続くレアル・ソシエダは、敵地でレアル・ベティスと対戦。久保建英は右ウイングで先発出場しました。しかし、チーム全体が機能せず、久保も攻撃の起点となる場面をほとんど作れないまま時間が経過。シュート1本(枠外)、チャンス創出0と厳しいスタッツに終わり、66分に途中交代となりました。チームも1-3で敗れ、初勝利はまたもお預けです。
負傷明けで本調子ではなかった可能性も指摘されており、コンディションとチーム戦術の両面で、久保の創造性を最大限に引き出せていない状況が浮き彫りとなった試合でした。
現地評価
- Noticias de Gipuzkoa:「精彩を欠き、決定機でもシュートを打てず何もできなかった」と評し、採点で10点満点中の「1」をつけるなど、極めて厳しい評価となりました。
- El Desmarque:「評価は『5』。努力はしたが、何も機能しなかった。」と、奮闘は認めつつも結果に繋がらなかった点を指摘しています。
- Mundo Deportivo紙:「負傷明けで本調子に遠く、攻撃の歯車になれなかった。」と、コンディション面への言及がありました。
- AS紙:「ボールロストが目立ち、チーム最低評価タイ」とし、採点は★1つ(最高3つ)でした。
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伊東 純也(ヘンク/ジュピラー・プロ・リーグ)
試合結果
ジュピラー・プロ・リーグ第8節 vs ユニオン・サン=ジロワーズ(H) [ 1 – 2 ] 敗戦 (68分 途中交代 / 1ゴール)
要約ポイント
かつてリーグ優勝を経験した古巣ヘンクに今季復帰した伊東純也が、首位を走るユニオン・サン=ジロワーズ戦で待望の結果を出しました。1点ビハインドで迎えた後半55分、左ウイングで先発した伊東は、味方からのパスに抜け出すと、冷静にゴールへ流し込み同点弾を記録。これがヘンク復帰後のリーグ戦初ゴールとなりました。チームはその後勝ち越しを許し1-2で惜敗したものの、10番を背負うエースが強豪相手に結果を残したことは、チームにとっても本人にとっても大きな収穫と言えるでしょう。
現地評価
- The World Magazine:「伊東純也が4季ぶりにベルギー1部リーグ戦でゴール。10番を背負うエースとして左ウイングで先発し、後半55分に同点弾を決めた。スピードとテクニックは健在だが、チームは終盤に失点し敗れた。」と、待望のゴールを伝えました。
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南野 拓実(モナコ/リーグ・アン)

試合結果
リーグ・アン第6節 vs メス(H) [ 5 – 2 ] 勝利 (84分 途中交代 / 1アシスト)
要約ポイント
好調を維持する南野拓実が、今節も結果を残しました。メス戦に右インサイドハーフで先発すると、28分に巧みな動き出しでペナルティエリア内に侵入。ゴールライン際からのダイレクトでの折り返しで、チームの3点目をアシストしました。これで公式戦4試合連続でゴールに絡む活躍となります。後半には不運な形でハンドを取られPKを献上する場面もありましたが、攻撃面での大きな貢献がそれを上回り、チームは5-2で快勝しました。
現地評価
- リーグ1公式SNS:「公式戦4試合連続ゴール関与。素晴らしいアシストを披露した。」と、継続的な活躍を称賛。
- ニース・マタン紙:「後半、不用意なハンドでPK献上も、攻撃での貢献が上回った。」と、功罪両面に触れつつもポジティブな評価を下しています。
- 仏RMCスポーツ解説:「攻守に顔を出し存在感。徐々にモナコの中心に。」と、チーム内での序列が上がっていることを示唆しました。
- 監督コメント:試合後、監督は「『タクミは重要な役割を果たしている』と称賛。」しており、信頼の厚さがうかがえます。
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【移籍情報】中村敬斗の残留が確定
中村 敬斗(スタッド・ランス)→ 残留確定
要約ポイント 夏の移籍市場において、ビジャレアル(スペイン)やベシクタシュ(トルコ)など複数のクラブへの移籍の可能性が報じられていた中村敬斗ですが、最終的にフランスのスタッド・ランスに残留することが確定しました。9月23日、選手本人がメディアに対し「クラブが僕に残ってほしかっただけ」とコメントし、移籍を巡る一連の憶測は完全に収束しました。
三笘 薫(ブライトン)→ 契約延長交渉中(噂)
要約ポイント プレミアリーグで輝きを放つ三笘薫に対し、所属するブライトンとの契約延長交渉が行われていると複数の現地メディアが報じています。三笘本人も延長に前向きな意向を示していると伝えられており、今後の動向が注目されます。
まとめ
今週は、鎌田大地や佐野海舟といった中盤のがゴールやアシストという明確な結果でチームを勝利に導く活躍を見せました。一方で、三笘薫や久保建英といった攻撃の主軸は、相手の厳しいマークやチームの状況に苦しみ、悔しい一週間となっています。移籍市場では中村敬斗の去就が確定し、各選手は目の前のシーズンに集中することになります。来週は代表ウィーク前最後のリーグ戦となるため、各選手が代表チームに良い形で合流できるよう、弾みをつける活躍に期待が集まります。