こんにちは、スポカフェ編集部です!
7月23日(金)に開幕を迎える東京五輪2020へ向けて、様々な準備が着々と進められています。
そんな状況の最中、新型コロナウイルスの影響により、開催を危ぶむ声や中止を求める内容の報道が連日あがってきています。
その中で、オリンピックの主役であるアスリートたち、大会への出場を見据える選手たちはどう感じているのでしょうか?大会そのものが行われるのかどうか、極めて複雑な感情を抱きながら、大会へ向けた厳しいトレーニングを送っている選手がほとんどです。
今回は、大会開催について現役選手や現役から一歩引いた元アスリート選手の声をまとめました。それぞれがどのような思いで東京オリンピックに臨もうとしているのかを見ていきましょう。
東京オリンピック開催に対する選手の声、意見

東京オリンピックの開催をめぐり、多くの選手が開催に関する思いを述べています。ここでは東京オリンピック開催についての選手の声を紹介します。
錦織圭選手(テニス)
テニスの錦織選手は、5月にイタリアで行われた大会の試合後、五輪開催への懸念を示しています。
「安全に開かれるならもちろん開かれるべきだが、現在の状況では何とも言えない」
「一人でも感染者が出るならばあまり気が進まない。死者がこれだけ出ていることを考えれば、オリンピックは死者を出してまでも行われることではないと思う。究極的には一人も感染者が出ない時にやるべきかなと思う」
そう語る錦織選手は昨年8月、症状は軽かったものの、練習拠点であるフロリダで新型コロナウイルスに感染しています。自身の経験からも、世界中で多くの感染者が出ている現段階での開催の難しさを口にしています。
大坂なおみ選手(テニス)
同じくテニスの大坂なおみ選手も、選手としての立場から、五輪出場への複雑な感情を表しています。
「私はアスリートです。もちろんすぐに思うのはオリンピックでプレーしたいということです」
「でも人として考えた時、私たちはパンデミックの只中にあると言えるでしょうし、皆が健康でなければ、そして安全だと思えなければ、それは間違いなくとても心配なことです」
感染が抑えられていない現状での開催は「素直に言って確信が持てません」と、選手として五輪初出場を望みながらも、やはり開催への不安を語っています。
高橋麗華さん(バドミントン)
バトミントンのリオ五輪金メダリストで、2020年8月に現役を引退された高橋麗華さんは、現役選手とは別の観点からの心境を語っています。
「正直、開催は難しいのかなと思いますね。もちろん、自分が現役アスリートで、オリンピックを目指している立場ならばやってほしいと思います。でも、アスリートだけが最優先されるべきものでもないと思いますし、飲食店と医療現場の方が凄く苦労されているのを毎日ニュースで見ると、『自分だけが(競技を)やっていいのか』。そう思ってしまう選手はたくさんいると思います」
内村航平選手(体操)
昨年11月に開催された体操の国際親善試合に出場した内村選手は閉会式の場で、五輪開催への切実な思いを吐露しています。そこには選手としての立場から、開催へ努力する重要性を込めて語っていました。
「コロナウイルスの感染が拡大して、国民の皆さんが『五輪ができないのでは』という思いが80%を超えているのが残念というか、しょうがないと思うけど、『できない』ではなく『どうやったらできるか』を皆さんで考えて、どうにかできるように、そういう方向に変えて欲しいと僕は思います」
また、次のようにも話しています。
「非常に大変なことであるというのは僕も承知の上で言ってるんですけど、それでも国民の皆さんとアスリートが同じ気持ちじゃないと、大会はできないと思います。何とかできる、どうにかできるやり方が必ずあると思うので、どうか『できない』という風には思わないで欲しいなと思います」
国内の緊張が高まる中での「批判覚悟」ともとれる、内村選手の開催への強い思いは、大きな反響を呼びました。
まとめ
今回は選手たちの複雑な声を取り上げました。そこには、選手として五輪出場への思いと共に、開催が難しいことであるという感情が伝わってきました。
本来であれば選手や国民が気持ちを一つにしてオリンピックに臨むのがベストなのですが、今回のオリンピック開催に関してはあまりにも意見が割れており、全員が気持ちよくオリンピックに臨むのは難しい状況であると言えるでしょう。
選手の立場から考えても、完全にコミットすることができない中で東京オリンピックに向けて気持ちを作り、ハードな練習に励むのは容易なことではないですね。ただ選手もプロなので、もし東京オリンピックが開催されるとなれば、気持ちを切り替えてオリンピックで活躍することにコミットすることになるでしょう。
選手たちのためにも、1日でも早くオリンピックの開催可否が発表されるといいですね。