オリンピックにおけるサッカーのオーバーエイジ枠とは?歴代の日本代表オーバーエイジ枠選手を振り返る

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こんにちは、スポカフェ編集部です!

東京オリンピックが1年延期されたことで出場資格が失われる選手が出てしまうことについて議論がなされてきましたが、代表の出場資格はそのままスライド維持されることが決定し、U-24で戦えることが決まりましたね。

出場できる選手の年齢層が広がることは、オーバーエイジ枠の使用に影響を及ぼす可能性も否定できず、今後のメンバー選考に注目したいところです。

そこで今回は、東京オリンピックにおけるサッカーのオーバーエイジ枠と、歴代のオリンピック日本代表のオーバーエイジ枠選手を振り返ってみたいと思います。

オーバーエイジ枠とは?

オリンピックの男子サッカーでよく耳にするオーバーエイジ枠。このルールが生まれたのは1996年アトランタオリンピックです。

1チーム18人中3人だけは特別枠として年齢制限を超えて出場可能になる制度であり、この3枠の権利を行使する・行使しないというのも自由に選べます。

現在も森保ジャパンのオーバーエイジ枠利用に注目が集まっていますが、オーバーエイジ枠が設定されてからのオリンピック日本代表の試合結果を見てみると、面白いデータがみえてきます。

オーバーエイジ枠で起用されている選手にFWがいないこともその1つです。

また、オーバーエイジ枠を利用した年のオリンピックでは決勝リーグへ進んだ実績があるのですが、オーバー枠を利用せずU-23選手だけで代表を構成した年のオリンピックでは、現状まだ予選リーグを突破できたことがないということにも気づけます。

ただし、オリンピック以外の国際大会にまで目を向けると、U-23で構成したオリンピックの後には国際的に活躍できる日本人選手が増える傾向があることも見逃せません。

オーバーエイジ枠をどのように利用するべきか、結論付けることはまだできず、これから先も興味が尽きない制度と言えるでしょう。

過去の日本代表オーバーエイジ枠選手

オーバーエイジ枠で出場した日本代表選手は以下の通りになっています。

2016年リオオリンピック:グループリーグ敗退

・藤春廣輝
ポジションはディフェンダー(左サイドバック)。ガンバ大阪在籍中(2021年3月現在も同クラブに在籍中)のプロ6年目、27歳で出場。過去にオリンピック出場経験はなく、オーバーエイジ枠でオリンピック初参加となりました。

オリンピック大会中は初戦の対ナイジェリア戦にフル出場を果たしましたが、第2戦の対コロンビア戦での後半20分にオウンゴールを記録してしまいました。第3戦の対スウェーデン戦は出場せず。

・塩谷司
ポジションはディフェンダー(センターバック)。サンフレッチェ広島在籍中のプロ6年目、27歳で出場。過去にオリンピック出場経験はなく、オーバーエイジ枠でオリンピック初参加となりました。

日本代表に選抜されて2年目でしたが、代表としての試合出場経験は少ないままオリンピックに出場。センターバックでグループリーグの全試合フル出場を果たしましたが、残念ながら良い結果を残せるものではありませんでした。

・興梠慎三
ポジションはフォワード。浦和レッドダイヤモンズ在籍中(2021年3月現在も同クラブに在籍中)のプロ12年目、30歳で出場。30歳で選出というのはオーバーエイジルールが始まって以来の最年長記録。2008年~2011年の日本代表時期に、国際大会への出場経験もありましたが、オリンピックはオーバーエイジ枠で初参加となりました。

オリンピック大会中は3試合連続で先発出場を果たして攻撃をけん引し、初戦の対ナイジェリア戦では、先制を許した後に得たPKのチャンスを落ち着いてものにし、日本に初得点をもたらしました。

2012年ロンドンオリンピック:準決勝敗退4位

・徳永悠平
ポジションはディフェンダー。FC東京在籍中のプロ9年目、28歳で出場。2004年アテネオリンピックにもU-23で出場経験があったため、2度目のオリンピック出場でした。

豊富な試合経験を生かしながらチームの団結力アップにも貢献。オリンピック大会中は5試合に出場し、4位入賞に貢献しました。

・吉田麻也
ポジションはディフェンダー(センターバック)。オランダ エールディヴィジリーグVVVフェンロー在籍中のプロ6年目、23歳で出場。2008年北京オリンピックにもU-23で出場経験があったため、2度目のオリンピック出場でした。

オリンピック大会中は主将、また守備の要としてチームをまとめ上げ牽引し、故障者が相次いだ準々決勝の対エジプト戦では、後半35分セットプレーで吉田選手自身がゴールを決める活躍も見せました。

2008年北京オリンピック:

(OA枠は使用せず)グループリーグ敗退

2004年アテネオリンピック:グループリーグ敗退

・曽ヶ端準
ポジションはゴールキーパー。鹿島アントラーズ在籍中のプロ7年目、25歳で出場。過去にオリンピック出場経験はなく、オーバーエイジ枠でオリンピック初参加となりました。

2000年からトルシェ監督のもとA代表に選ばれていましたが、試合出場回数は少なく、オリンピック直前に行われた強化試合において致命的なミスによる失点を犯すと、大会中も不安定さを覆すことができず、3試合で7失点を喫しました。

・小野伸二
ポジションはミッドフィルダー。オランダ エールディヴィジリーグフェイエノールト在籍中のプロ7年目、24歳で出場。

ユース時代や1998年FIFAワールドカップなど大きな国際大会にも出場していましたが、2000年シドニーオリンピックアジア予選中のけがで離脱したため、オリンピック出場はアテネオリンピックのオーバーエイジ枠が初参加となりました。大会中は抜群のチャンスメーク力に期待が集まっていましたが、1次リーグの3試合中、PKによる2得点を挙げるにとどまりました。

2000年シドニーオリンピック:準々決勝敗退

・楢崎正剛
ポジションはゴールキーパー。名古屋グランパスエイト在籍中のプロ6年目、24歳で出場。前オリンピックの1996年に日本代表選手に選ばれていましたが、五輪メンバーからは外れていたため、過去にオリンピック出場経験はなく、オーバーエイジ枠でオリンピック初参加となりました。

オリンピック大会中は全試合に出場し、準々決勝のアメリカ戦では味方選手との衝突で負傷しましたが、流血しながらも最後までプレーを続けるなど、守護神として活躍しました。

・森岡隆三
ポジションはディフェンダー。清水エスパルス在籍中のプロ7年目、24歳で出場。過去にオリンピック出場経験はなく、オーバーエイジ枠でオリンピック初参加となりました。

当時の日本代表兼五輪監督であったフィリップ・トルシエの陣形戦術フラット3の中心選手として監督からの信頼は絶大で、3バックの中央を任されていました。オリンピック大会中は4試合中3試合に出場し、チームに貢献しました。

・三浦淳宏
ポジションはミッドフィルダー。横浜F・マリノス在籍中のプロ6年目、26歳で出場。過去にオリンピック出場経験はなく、オーバーエイジ枠でオリンピック初参加。

五輪メンバー最終決定前のテストマッチの時点ではオーバーエイジ3枠候補に三浦選手の名前はありませんでしたが、テストマッチで見せた右サイドでの活躍が認められ、急遽メンバー入りが決定。オリンピック大会中は4試合中3試合出場し、決勝リーグ出場に貢献しました。

1996年アトランタオリンピック:

(OA枠は使用せず)グループリーグ敗退

森保ジャパンの活躍を期待しよう!

オリンピックのサッカーにおけるオーバーエイジ枠は、プロ選手のオリンピック参加に伴うFIFAとIOCの利害関係のようなものから生まれたものですが、オーバーエイジ枠の利用は、選手にとっては活躍の場が増やせますし、我々ファンにとってはトップ選手のプレーを見る機会が増えることにつながります。

この夏、東京オリンピックでオーバーエイジ枠に起用されるオリンピック日本代表選手も気になりますが、どの選手が選ばれたとしても選手の活躍を応援するのが一番です。

森保ジャパン全選手の活躍に期待したいですね。