ロシア選手団、ドーピング処分で東京オリンピックから除外されるも抜け道あり?選手が個人参加できる可能性とは

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ロシア選手団、ドーピング処分で東京オリンピックから除外されるも抜け道あり?選手が個人参加できる可能性とは




こんにちは、スポカフェ編集部です!

7月に開催される東京オリンピック。原則、どの国にも参加する権利があるオリンピックですが、今回はオリンピック常連国の中でも1カ国だけ参加ができなくなった国があります。

その国とは、スポーツ大国のロシアです。ドーピング問題の影響を受け、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が、ロシア選手団の東京オリンピック除外を決めたのが、2020年12月のことでした。

この決定により、ロシアは東京オリンピックに選手団を送ることはできなくなりました。しかし、ロシア選手団として送り込むことができなくとも、ロシアの選手はオリンピックに出場できる可能性が残されているのです。

今回の記事では、東京オリンピックを始めとする国際大会に参加除外となったロシア人選手が、東京オリンピックに個人参加できる可能性について紹介します。

ロシアのドーピング問題

ロシアの国家ぐるみのドーピング違反が明らかになったのは2016年のことです。この年、世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームは、2014年のソチ・オリンピックに参加したロシア人選手に関して、禁止薬物の利用を隠すためにロシアの国家ぐるみでドーピングの隠蔽工作があったとしてリオデジャネイロ・オリンピックからの除外を勧告。スポーツ仲裁裁判所(CAS)もこの勧告を支持することになりました。

ロシアのドーピング違反の舞台となったのは、2014年のソチで開催された冬季オリンピックです。この時、ロシアはメダルを取る可能性のある有力選手に対して、オリンピック前の薬物を使っていない時期に尿の採取を実施することに決定。そして、オリンピック中に実施されたドーピング検査時に採取された尿を、薬物を使っていない時に採取した尿にすり替えた、とされています。

2016年はブラジルのリオ・デ・ジャネイロでオリンピックとパラリンピックが開催された年です。前述のWADAの勧告に対し、オリンピックはロシアの国家としての参加を認めた一方で、パラリンピックはロシアの出場停止に踏み切りました。

またその後の調査で、2016年のWADAによる調査時にロシアから提出された書類資料に多くのデータの改ざん(削除や置き換え、日付変更など)があったことが発覚しました。そのため、改めてWADA(世界反ドーピング機構)より東京オリンピックなどの主要大会から4年間除外されることが勧告され、その決定をIOC(国際オリンピック委員会)が支持することとなりました。

ちなみにロシアの国家的ドーピング違反が発覚した後、ブルガリア、カザフスタン、ベラルーシなどでも組織的なドーピングが発覚しています。

OARとは?選手が個人参加できる可能性

まず、OARとはOlympic Athlete from Russia(オリンピック・アスリート・フロム・ロシア)の略称である。国家資格でなく、個人資格でオリンピックに参加するロシア人選手のことを表すものです。

OARとしてオリンピックに出場するには厳しい検査を受けて、ドーピングをしていないことを示す必要があり、OARとして参加するロシア人選手には、国旗の持ち込みや国歌斉唱は許されていません。

OARとして168人のロシア人選手が参加した2018年の平昌オリンピックでは、金メダル2個・銀メダル6個・銅メダル9個の合計17個のメダルを獲得しています。しかし、同オリンピック終了後に、男子カーリング選手と女子2人乗りボブスレーの選手による薬物違反が発覚しています。

ロシアは2020年のサッカー・ワールドカップでも、国家代表としての参加ができず…

今年の東京オリンピック・パラリンピックだけでなく、2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会からも除外されることになったロシア。個人競技の多いオリンピックではOARという形で出場できる可能性がありますが、団体競技では「ロシア」としての出場は難しくなります。

日々変わるドーピングの方法とそれを阻止したい国際的スポーツ機関の間の戦いが終わらない限り、今回のロシアのようなケースがこれからも繰り返されてしまうのかもしれませんね。