サンディエゴ・パドレスの本拠地『ペトコパーク』でオールスター観戦

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こんにちは、スポカフェ編集部です!
毎年7月に行われるメジャーリーグのオールスターはオリンピックやワールドカップのように毎回違う開催球場が選ばれます。現在のメジャーリーグのチーム数は30なので、単純な計算では自分の地元でオールスターを見ることが出来るのは30年に1度ということになります。私が住んでいる南カリフォルニアにはロサンゼルス・ドジャーズ、ロサンゼルス・エンゼルス、サンディエゴ・パドレスと3チームありますので、チャンスは3倍になります。それでも確率は10年に1度です。

もっとも、何回もオールスターを開催した球場もあれば、未だに一度も開催地に選ばれたことがない球場もあります。新しく建築された球場、改装された球場、○○周年などの節目の球場が選ばれることが多いようです。2016年の開催都市はサンディエゴ、球場はパドレスの本拠地ペトコパークでした。そのとき観戦したマイナーリーグのオールスター戦、正式名称は『オールスター・フューチャーズ・ゲーム』(All-Star Futures Game)の様子とペトコパークについて紹介したいと思います。

ペトコパークへのアクセス

この年の会場となったペトコパークはサンディエゴの中心地からさほど遠くありません。アムトラックの駅からは約2キロほど、歩いても20分ぐらいですし、トローリーと呼ばれるバスも頻繁に行き来しています。サンディエゴの治安は他のアメリカの都市に比べると悪くありませんが、やはりダウンタウン付近ですので、昼間はともかく夜はあまり歩き回りたくなるような雰囲気でもありません。
私達はいつもで行きます。球場の駐車場は大きくないので、付近の有料駐車場に車を停めて球場まで歩きます。これが面倒と言えば面倒なのですが、逆に言えば他の球場のように試合後の駐車場で渋滞することもありません。

観戦レビュー

きわめて個人的なペトコ・パークの全体評価

    • 治安:★★★☆☆
    • 雰囲気:★★★★★
    • アクセス:★★★☆☆
    • 費用:★★★☆☆

オールスターウィーク

オールスターが行われる週は基本的に以下のスケジュールでイベントが行われます。

  • 日曜:フューチャーズゲーム(マイナーリーグのオールスター)
  • 月曜:ホームランダービー
  • 火曜:オールスター本戦

これら以外にも芸能人のソフトボールやファン参加のイベントなどが1週間に渡って行われます。オールスターウィークの水、木曜日は試合がなく、金曜日からレギュラーシーズン後半戦が始まります。

なぜ、メジャーリーグのスーパースターが集まる本番のオールスター戦とかホームランダービーではなく、わざわざマイナーリーガー達の試合を観に行ったのか?
勿論、チケットの値段が格段に安く、しかも手に入りやすかったからです。参考までに現時点でオンラインチケット販売サイト大手の「StubHub」が出している2018年オールスターウイークのイベントごとの最安値と最高値のチケット価格をで比較してみると以下のようになります。

  • フューチャーズゲーム:最安値6ドル、最高値995ドル
  • ホームランダービー:最安値162ドル、最高値6,499ドル
  • オールスター本戦:最安値295ドル、最高値9,250ドル

フューチャーズゲームがいかにお手頃かわかって頂けると思います。感覚としては普段のレギュラーシーズンの試合とお値段はほぼ変わりません。私達は内野席だけど4階の一番後ろの方のチケットを買いました。1枚50ドルぐらいだったと記憶しています。

アメリカ対世界選抜の若手有望株選手達

フューチャーズゲームに出場する選手はファン投票ではなく、MLB機構とベースボール・アメリカ誌で構成される委員会で選出されます。一口にマイナーリーグと言っても、ルーキー、ルーキー・ショート、1A, 1A ショート、1A アドバンス、2A, 3Aと7~8階層ものリーグがありますが、フューチャーズゲームには必ずしもレベルの高いリーグのチームに在籍する選手だけが選ばれるわけではありません。その名の通り、将来メジャーリーグで活躍するだろうと思われる若手有望株の選手達が委員会から選ばれます。

過去の出場選手にはマイク・トラウト(2010)、ブライス・ハーパー(2011)、ホセ・アルテューベ(2011)、カルロス・コレラ(2014)、などスーパースターの名前が綺羅星のように並びますが、彼らの多くは当時1A, 2Aの選手でした。メジャーリーグや日本プロ野球のオールスター戦と異なり、フューチャーズゲームでは選手達はアメリカ生まれと外国生まれに分かれて、アメリカ代表対世界選抜という形式で行われます。2016年の世界選抜チームは25人中13人がドミニカ共和国出身でした。あらためて彼の地の野球のレベルの高さがわかります。ちなみに今までこのフューチャーズゲームには、日本人選手として、1999年と2000年に大家友和が出場しています。投手韓国や台湾出身の選手は過去に何人も選出されていますので、マイナーリーグから挑戦する日本人選手がもっと出てきてほしいなと思います。

2016年フューチャーズゲーム

さてフューチャーズゲームの様子です。さすが30年に1度のお祭り。マイナーリーグの試合と言えども球場はほぼ満員で、試合前からの盛り上がりもなかなかでした。
試合前の国歌斉唱の前に海軍特殊部隊がパラシュート降下してきました。これが始球式です。

この前6年ほどアメリカチームが連勝していたのですが、2016年は世界選抜チームの大勝(11-3)で終わりました。
ピッチャーは基本的に1人1イニングづつで交代するので、次から次へと新しいピッチャーが出てくるのですが、とにかくみんな球が速い。ほとんど全員が150キロ後半をコンスタントに出していて、160キロ超えも当たり前のように4,5人が出していました。
3階席に飛び込む150メートルぐらい飛んだんじゃないかと思えたホームランもありましたし、センターの定位置からノーバウンドでホームベースまで返球してタッチアップ走者を刺す場面も、ホームランをもぎとるフェンス際の超美技もありました。

とにかく、スピードとパワーが桁違いに凄い。メジャーの試合でもなかなかお目にかかれないようなスーパープレーの連続でした。野球を見てこれほど満足したのも久しぶりです。本当はこいつらの方がメジャーのオールスターより強いんじゃないかな、なんて思ってしまいました。
今振り返ると、この年のフューチャーズゲームには現ニューヨーク・ヤンキースのゲイリー・サンチェスが出場していました。サンチェスはその後すぐにメジャーに昇格し、8月だけで打率.389・11本塁打・21打点という驚異的な活躍で捕手では史上初の月間MVPと月間最優秀新人賞を同時受賞しています。

未来のオールスター

2018年のオールスター開催地はワシントン・ナショナルズ、2019年はクリーブランド・インディアンズ、2020年はロサンゼルス・ドジャーズの本拠地球場に決定しています。
オールスターの別名はミッドサマー・クラシック。真夏に行われる野球の祭典を肌で感じてみるのは如何でしょうか。

在アーバイン 角谷 剛

ABOUTこの記事をかいた人

角谷剛 • 米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS) • コーチング及びスポーツ経営学修士(カリフォルニア州コンコルディア大学) • CrossFit L1 公認トレーナー • カリフォルニア州アーバイン市TVT高校クロスカントリー部監督 カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後に趣味のスポーツが高じてコーチ業に転身。  著書に「大人の部活―クロスフィットにはまる日々」(デザインエッグ社)がある。